2019年02月28日

表記:銭と便箋とマサルソン

 ヰンㇳ゙ワーㇳ゙諸島はカリブ海南部の小さな島々だが、英国領だったり仏国領だったり独立国だったり𢚏国ヹネㇲヱ𛃰領だったりと帰属関係が複雑な所為か、震央地名も細かく分かれている。そして地震も比較的多い。個人的にはこれまで注目した事が無かったので地名も含めて物珍しく見ている。今回は英国から独立したセントビンセント。「銭と便箋と」ではなく、[セィンㇳ・ヸンㇲンㇳ]、あるいは[セィンㇳ・ヸンサンㇳ]。

 元の表記は𝐒𝐭․ 𝐕𝐢𝐧𝐜𝐞𝐧𝐭。たまに[s]に付随した音が省略される事がある。最もよくみられるのが「−𝐬𝐨𝐧」の語尾で終わる地名;姓氏で、[son]ではなく[sn]と発音されたりする。日本語でも例えばジョージ・ハリスン𝐆𝐞𝐨𝐫𝐠𝐞 𝐇𝐚𝐫𝐫𝐢𝐬𝐨𝐧のようにかつては発音に近い表記を採用していたようだが、今ではこういう音訳の仕方はなかなか見掛けない。「-ソン」と書かれる。別に間違いではないが英語の場合は前に強声があると後ろが自然にあいまいとなるし、聞いた感じも少し変わるので、この辺は本人がそう発音していない限りある程度考慮しておいた方が良いと思う。英語の発音がどうこう、リㇲニンㇰ゙がどうこう躍起になるより自然に慣らしておいた方が効率は良い。「なぜ聞き取りができないのか?」の多くは、「音に慣れていないから」だが、「そもそもそう発音していない」という事例も少なからずある。この辺は草書の読み書きと似た面がある。しかし草書は現代においては応用であって基本の楷書が重要になるが、英語の場合は日常的な話なので、最初から違う発音の仕方を学ばせてあとから別の発音を聞き取らせるのは効率が悪いというか、ただの虐待だろうと思う。なお、ㇷ゙𛃻ーㇲ゙音楽関係は現在でも「-スン」表記が一般的なのか、已前読む機会のあったㇷ゙𛃻ーㇲ゙音楽雑誌は「-スン」だらけだった。

 さて、センㇳ・ヸンㇲンㇳは独立国のようなので漢字表記を当てる事にしたが、𝐕𝐢𝐧𝐜𝐞𝐧𝐭は個人名。元をたどるとラテン語の𝐕𝐢𝐧𝐜𝐞𝐧𝐭𝐢𝐮𝐬由来らしい。𝐕𝐢𝐧𝐜𝐞𝐧𝐭𝐢𝐮𝐬ヰンケンティウㇲ𝐯𝐢𝐧𝐜𝐞𝐫𝐞ヰンケレ由来で、𝐖𝐢𝐤𝐢𝐩𝐞𝐝𝐢𝐚では「𝐭𝐨 𝐜𝐨𝐧𝐪𝐮𝐞𝐫ツ゚ー・コンカー」と説明していた。「支配する事」という意味になる。その意味もあるが、支配するという言葉は他にも𝐫𝐞𝐠𝐧𝐨ㇰ゙ノー𝐫𝐞𝐠𝐨レゴー𝐢𝐦𝐩𝐞𝐫𝐨イㇺペロー𝐩𝐫𝐚𝐞𝐬𝐮𝐦ㇷ゚ラエㇲㇺ等いくつかあって少しずつ異なるようなので、「勝つ」という意味を採用しておく事にした。「来た見た勝った𝐕𝐞𝐧𝐢ヱニー𝐯𝐢𝐝𝐢ヰディー𝐯𝐢𝐜𝐢ヰキー․」の𝐯𝐢𝐜𝐢と同じ。という事で勝国しょうこくとする。但、一般的にも戦勝国という使い方をするので𠢧国の方が良いかなとも思っている。とりあえず勝国にして様子をみる。勝の偏部は肉や月ではなく舟。時代を経るうちに𝟑つが同じ形にされている。それを区別する為に昔は舟の場合、横棒ではなく点に代えて「勝󠄃」と表記されたりもした。𠢧は勝の古字。

 露国のフィギュァ・ㇲケイター:アリーナ・ザギトワ選手が秋田犬に勝利を意味する勝の字からマサルとなづけた事で話題になったが、これを名前の範囲内で露語に直訳するならВинсентヸンセンㇳなのだろう。雌らしいのであえて女性形にするならВинсентиаヸンセンチァにでもなるのだろうか?マサルが通常男性の名前である指摘もあって本人も一時期迷ったらしいが、なぜ勝子まさことか勝子かつことか勝代かつよとか勝代まさよとか、おかつという女性風の名前は採用しなかったのだろう?という疑問はあった。
ラベル:書道 漢文
posted by Marimó Castellanouveau-Tabasco at 06:52| 東京 ☁| 外国語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする