2018年05月02日

ガンダム チルドダイバーズ ドライ

 ガンダムのプラモデル(以下、プラモ)のことを「ガンプラ」と言い、今では𝐆𝐮𝐧𝐩𝐥𝐚として発売元のバンダイも売り出しているので、おそらく商標登録しているのだろう。略称自体は流行した𝟏𝟗𝟖𝟎年代初頭から既にあったようだが、詳しいことは知らない。少なくとも私は子供のころ「ガンプラ」という言葉を聞いたことがなかった。

 ガンダムというアニメ作品はそのガンプラの販売促進活動の一環として制作されている面がある。第𝟏作目『機動戦士ガンダム』(以下、『初代』)では通常の金属でできたおもちゃを売るのが目的だったが、当初は売れなかったらしい。プラモ発売のアイデアも出ていたが、その不調が理由で見送られ、番組も低視聴率ていしちょうりつで打ち切り、結局スポンサーは倒産とうさんしてしまう。ところが、一部では開始当初から評判がよく、おもちゃの売れ行きも打ち切りが決まったあとには好調になっており、のちにプラモ商品化の権利を獲得したバンダイが売り出すと放送終了後の再放送;再々放送が高視聴率を獲得したこともあって大いに売れ、ちょっとした流行になった。以降、ガンダム作品はプラモの商品化を前提としているが、近年では作品内容がったものになってきているせいか、もっと単純にプラモ制作の魅力を伝えようと、ガンプラそのものを主題としたアニメ作品が制作されている。最近の発表では、今後ガンダムはゲームとの結びつきをさらに強めていくとうたっていたので、ガンプラの強調度合いは以前より薄まるのかも知れないが。

 そして今年度のガンプラ販促作品が『ガンダムビルドダイバーズ』(以下、『建屋𝐕』)。ユーチューブでも公式動画が無料公開されている。

𝟐𝟎𝟏𝟎年﹦平成𝟐𝟐年『模型戦士ガンプラビルダーズ ビギニング𝐆』
𝟐𝟎𝟏𝟑年﹦平成𝟐𝟓年『ガンダムビルドファイターズ』
𝟐𝟎𝟏𝟒年﹦平成𝟐𝟔年『ガンダムビルドファイターズトライ』
𝟐𝟎𝟏𝟕年﹦平成𝟐𝟗年『ガンダムビルドファイターズ 𝐁𝐀𝐓𝐓𝐋𝐎𝐆𝐔𝐄バトローグ


に続く𝟓作目だが、世界観のつながりはない。さらに前にも、𝟏𝟗𝟖𝟐年﹦昭和𝟓𝟕年に漫画で『プラモ狂四郎』という作品があった。漫画雑誌はめったに買ってもらえなかった関係で個人的には全然知らないが。

 無料なので『建屋Ⅴ』をなんとなく見てみたが、𝐓𝐕では昨日放送の第𝟓話「聖地・ペリシア」、着色のミスが目に入った。

 𝟓分𝟒𝟒秒に

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という絵が映る。『初代』放送後に登場したプラモ:¹∕₁₀₀ひゃくぶんのいちガンダムを基にした絵だが、腰の上部に注目してほしい。青色をしている。ところが𝟔分𝟏𝟎秒の時は赤色になっている。

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 𝟔分𝟐𝟒秒では再び青色。

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 最後に𝟕分𝟖秒でも青色。

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 ほかに、緑で囲んだ部分の線が最後の映像ではなかったり、おへそ部分の形状も微妙に違ったりしている。

 こういった矛盾はこれまでの作品でも何度かあって、私が最初に気づいたのは𝟏𝟗𝟗𝟏年﹦平成𝟑年の『機動戦士ガンダム𝐅𝟗𝟏』でだった。そもそも間違いがあるなんてことは考えたことも無かったが、小𝟓の頃に読んだ雑誌、たぶん『𝐁−𝐂𝐋𝐔𝐁ビークラブ』だったと思うが、公開された映画作品の中で場面によって矛盾がみられることがあり、そういった指摘をして楽しむ愛好家もいることが紹介されていたことで知った視点。そこでは映画“𝐁𝐚𝐜𝐤 𝐭𝐨 𝐭𝐡𝐞 𝐅𝐮𝐭𝐮𝐫𝐞バック・トゥ・ザ・フューチャー”で計器類の針が指している値が前後で食い違っている様子などが紹介されていた。

 私は映画はたまにしか見ないし、大要をつかむのが主で細かいところまでは気にしていないから見つけられることは無いかなと思っていたが、頭の隅にちょこっとそういうミスが起こることもあるという意識を持っておくだけでも、たまに目に入るようにはなるらしい。今回も特に意識して見ていたわけではないが、「あれ?さっきと色変わってない?」とふと気づいた。細かい形状が違っていたのは画像を抽出して気づいた。

 𝟏𝟎分𝟑𝟎秒では背景の看板にアラビーヤ文字が書かれていた。

1030.jpg


 これもミスで、يヤーは前後の文字によって形状が変わる。


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 ラテン文字に直すと「‘𝐚𝐲𝐳‘」になる。最後の上ハムザ付アリフは直前が短母音たんぼいんの[ă]になるらしいので、「‘𝐚𝐲𝐳𝐚」なのだろう。どういう意味なのだろう?と検索してみたが、見当たらなかった。わずかに「𝐚𝐢𝐳𝐚アイザ」という名前で使われているのは発見できた。バスク語でがけとか岩を意味する名前らしい。しかしそれとイスラーム系の名前と関係があるのかは不明。スペイン﹦アラブ系の人なのだろうか?

 世界史を学んでいないと意外と知らない人がいると感じるので一応触れておくが、現在スペインやポルトガルのあるイベリア半島は中世の一時期イスラーム国家だった。この点は次期指導要領で必修になるらしい高校日本史と高校近代史では抜け落ちることになると思うが、知っているのと知らないのとでは近代西洋史の理解の仕方が変わってくる。ほかにシチリア島やイタリア南部、ギリシャもイスラーム圏だった時期があるものの、近現代史に入るのはせいぜいギリシャ独立運動からだろう。しかし押さえておいた方がいい。個人的には近現代史偏重は欧州の例をみると、誤認を生むおそれがあってあまり良いとは思っていない。入れれば頭に入る水準の学校;クラスでは世界史全体も必修にさせておいた方が良い。地理と通史の抜けた現代史の丸暗記は視野の狭い自信家を育てる可能性があって性質たちが悪い。

 話を戻そう。アラビーヤ文字の両脇には𝐎𝐑𝐁と書かれている。これはオーブ:𝐔𝐧𝐢𝐭𝐞𝐝 𝐄𝐦𝐢𝐫𝐚𝐭𝐞𝐬 𝐨𝐟 𝐎𝐫𝐛オーブ連合首長国のことらしい。𝟐𝟎𝟎𝟐年﹦平成𝟏𝟒年放送の『機動戦士ガンダム𝐒𝐄𝐄𝐃シード』(以下、『𝐆種』)で出て来る架空の国家。なのでアイザかそれに似た名前も『𝐆種』に登場するのかも知れないが、私は少ししか見たことのない作品なのでよくわからない。

 アラビーヤ文字はラテン文字の筆記体のように原則続けて書く。ただ、一部に区切って書く文字も混じっている。今回のアイザはたまたま区切って書く文字が多かったが、もしこれが全て続けて書く文字の羅列られつだった場合はもっと違和感があったろう。文字を知らずに一覧表だけを見て並べると犯しやすい間違いなので注意がる。以前、ダイソーの一部商品でも全て独立形で書いたアラビーヤ語表記があって、その後修正されていた。

 こういった看板に書かれたものは、それが文字だと知っている人とそうでない人とで見え方がかなり異なってくる。文字を知っている人には、たとえ意味や読み方が分からなかったとしても、何か書いてあるとか、どこの国や地域の言葉のようだと認識されるが、そうでなければ単なるデザインのように見えてしまう。また、その国の言語がわからなくても文字が読めるだけで、英語由来の言葉など外来語や日本でも知られている固有名詞が混じっていると一部意味が取れることもある。言語を学ぶというと、ペラペラに喋れるようにならなければ意味が無いかのように思われがちだが、それぞれの場面によって求められる内容や実力は異なってくる。国内で外国語を使わずに生活する場合でも文字が読めるだけで仕事やコミュニケーションに得になる場合もある。やり出すと長くなりそうなので外国語教育の問題に関してはまた別途に触れよう。
posted by Marimó Castellanouveau-Tabasco at 20:35| 情報処理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする