2018年03月16日

表記ハイトップ

 昨日、検索サイトを使ったついでに何と無く思い出したので「セミコロン」を検索してみた。

 以前はほとんど説明が出てこなかったが、現在ではいくつも使い方を説明した記事が出てくる。共通しているのはコロンとセミコロンを一緒に採り上げているサイトが多い点。中にはピリオド、コロン、セミコロン、カンマを一緒に説明している人もいる。


と、前回話題にしたので、今回はセミコロン。一応グーグルだとこのようになっており、

セミコロン


 ウィキペディアだとこのようになっている。

セミコロン


 中高の時に使っていた研究社の『英和中辞典』だと

𝐬𝐞𝐦𝐢𝐜𝐨𝐥𝐨𝐧【sémikòulən】𝐂名詞 𝐩𝐞𝐫𝐢𝐨𝐝⦅․⦆よりは軽く,𝐜𝐨𝐦𝐦𝐚⦅﹐⦆よりは重い句読点:例 𝐀 𝐟𝐨𝐨𝐥 𝐛𝐚𝐛𝐛𝐥𝐞𝐬 𝐜𝐨𝐧𝐭𝐢𝐧𝐮𝐨𝐮𝐬𝐥𝐲; 𝐚 𝐰𝐢𝐬𝐞 𝐦𝐚𝐧 𝐡𝐨𝐥𝐝𝐬 𝐡𝐢𝐬 𝐭𝐨𝐧𝐠𝐮𝐞․ 愚者は口が軽く,賢者は口が重いもの



 この説明だけだとわかったようなわからないようなモヤモヤした感触だったのだが、実は英和辞典ではセミコロンがよく使われており、実際の使用例をみた方がわかりやすかったりする。例えば定冠詞𝐭𝐡𝐞の項目を引くと、発音に関して以下のような記載がなされている。

𝐭𝐡𝐞 [(弱形) ðə ⦅子音の前⦆, ði⦅母音の前⦆; (強形) ðíː]


 わかりやすいように位置に関する説明を省略するとこうなる。

𝐭𝐡𝐞 [(弱形) ðə , ði; (強形) ðíː]


 つまり、音が弱い時の発音には「ザ」や「ジ」があり、音が強い時の発音は「ジー」だということ。そして「ザ」と「ジ」をカンマで分け、弱い場合と強い場合をセミコロンで分ける。そういう使い方でセミコロンは使う。

 似たような分け方は算数・数学でも使う。大括弧・中括弧・小括弧という分け方。

the [{弱形( ðə)( ði)} (強形 ðíː)]


 算数・数学の場合は掛け算と足し算・引き算の区別に使ったりするが、コンピューターのプログラミングでは、各種命令の区別に使うので、単なる例えというだけでもない。知っておいて損は無いだろう。

 日本語の文章では一般的でないかのように見えるが、法律や行政の文章でも似た様なことは行われている。同義選択というもので、

the [弱形 ðə もしくは ðiまたは強形 ðíː]


 通常の日本語文では使い分けを意識させられることがないのでこういった表現があっても単なる筆者の好みに感じてしまうかも知れないが、明確に使い分けているので、注意がいる。役人用語でワケワカランと思ったときは、逆に「もしくは」をカンマに、「または」をセミコロンに直してみるといい。学生で手書きの必要がある時なども面倒だろうから、どんどん記号に置き換えてしまうと良い。ということで、私は普段私的な日記やメモでは使っているのだが、これからはこのブログでも使うことにする。そのためもあって話題にした(笑)

 役所の文章では読点の位置も気にするので、それについてどうでもいいことにこだわっているかのように腹を立てている書き込みを已前見かけたことがあるが、これも使い分けがされているので、どうでもいいことはない。だから注意が必要。言葉遊びでも知られた

ここではきものをぬいでください。


というのがあるが、読点をどこで打つかによって意味が変わる。

ここでは、きものをぬいでください。
ここで、はきものをぬいでください。


 漢字に直すとわかりやすい。

此処では、着物を脱いで下さい。
此処で、履物を脱いで下さい。


 漢字が難しいからといって全てひらがなにすると、日本語ではこういう面倒が起こる。曖昧で融通のきく表現ができるのは和漢混交文だからというのもあるだろう。近年はラテン文字も多いので和羅漢混交文というべきだが。

 日本語の文章でセミコロンの利用は一般的ではないが、名詞の並列では中黒を使うことが多い。

the [弱形 ðə ・ ði、強形 ðíː]


 ただ、中黒の扱いが曖昧になっているとは感じる。𝟏つの言葉を中黒で区切っているのか、複数の言葉を並べているのかがわかりにくい。

カエサル・クラッスス・ポンペイウスの三頭政治


 高校で世界史を履修した人やローマ史の教養が多少でもある人ならこれは、カエサルさんとクラッススさんとポンペイウスさんの𝟑人による政治だというのがわかる。でも知らなければカエサル・クラッスス・ポンペイウスさんという一人の人物にも解釈できないことはない。

ガーイウス・ユーリウス・カエサル


日本では普通ユリウス・カエサルと書かれるので、これだとガーイウスが名前だと知らなければ多少混乱してもおかしくないだろう。こういうことは地名でも起こる。

スリ・ジャヤ・ワルダナプラ・コッテに行きました。


 何ヶ所に行きましたか?と。答えは𝟏ヶ所。

 名前に関しては以前、等号を使ってユリウス=カエサルのように表記されていたのだが、𝟗𝟎年代の半ばくらいから見かけなくなった。今では中黒が一般的だと思う。理由はよくわからないが、姓氏と姓氏を区別または連結するために等号を使うことがあるので、混乱しないように名前と姓氏を分けるときは中黒で統一したのかもしれない。先ほどのガーイウス・ユーリウス・カエサルを日本風に名字と名前の順序で書いて下さいとなったら、

カエサル・ユーリウス・ガーイウス


のように思えるが、個人名はガーイウスで、そのあとは家名や氏族名なので、

ユーリウス・カエサル・ガーイウス


の方が正しい。それがわかるようにするには

ガーイウス・ユーリウス=カエサル


としておけばわかりやすい。実際、ドイツ人の姓氏など、父方と母方夫と妻の姓氏を併記するときの日本語表記で用いられていたりする。原語ではハイフンを使うが、日本語でハイフンを入れると長音記号と区別しづらいという問題があるからだろう。

 というわけで、前回含めてコロンとセミコロンは別物という話題をした。
posted by Marimó Castellanouveau-Tabasco at 23:59| 情報処理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする