そーし様はバケモノの親玉でした。②

　せっかくだからお昼（ひる）休（やす）みネタを続（つづ）けよう。

　まず言葉（ことば）の問題（もんだい）だが、横（よこ）の方言（ほうげん）と言（い）えるかまでは確認（かくにん）した事（こと）が無（な）いものの、学校（がっこう）によって言（い）い方は違（ちが）っているよう。私（わたし）が経験（けいけん）した所（ところ）では、「昼休憩（ひるきゅうけい）」と言（い）っている学校（がっこう）と、「昼休（ひるやす）み」と言（い）っている学校（がっこう）があった。授業（じゅぎょう）と授業（じゅぎょう）の間（あいだ）の短（みじか）い休（やす）み時間（じかん）も「休憩（きゅうけい）時間（じかん）」と「休（やす）み時間（じかん）」、少（すこ）し長（なが）いものだと「大休憩（だいきゅうけい）」と「中休（なかやす）み」という違（ちが）いがあった。学校（がっこう）を出（で）てしまうと用語（ようご）を統一（とういつ）している組織（そしき）も少（すく）ないだろうが、一般（いっぱん）に「お昼（ひる）」が一番（いちばん）多（おお）いような気がする。あとは「昼休（ひるやす）み」「昼食（ちゅうしょく）」「飯（めし）」。「昼休憩（ひるきゅうけい）」は記憶（きおく）が無（な）い。

　時間（じかん）に関（かん）してもさまざまで、小休憩（しょうきゅうけい）／休（やす）み時間（じかん）は𝟓分（ごふん）と𝟏𝟎分（じっぷん）を経験（けいけん）している。大休憩（だいきゅうけい）／中休（なかやす）みは𝟏𝟓分（じゅうごふん）と𝟐𝟎分。お昼（ひる）は小学校（しょうがっこう）の場合（ばあい）、給食（きゅうしょく）𝟒𝟓分（よんじゅうごふん）➝昼休憩（ひるきゅうけい）／昼休（ひるやす）み𝟐𝟓〜𝟑𝟎分➝掃除（そうじ）𝟑𝟎分という連続（れんぞく）で、授業（じゅぎょう）已外（いがい）という意味（いみ）では𝟐時間（じかん）近（ちか）くあった。ただ、「面倒（めんどう）な事（こと）はさっさと済（す）ませてしまおう」という趣旨（しゅし）から掃除（そうじ）の時間（じかん）を朝（あさ）に持（も）って来（き）た校長（こうちょう）先生（せんせい）もいて、その場合（ばあい）広（ひろ）い意味（いみ）でのお昼（ひる）は𝟑𝟎分短（みじか）かった。企業（きぎょう）の場合（ばあい）、掃除（そうじ）も労働（ろうどう）時間（じかん）に入っている場合（ばあい）と、そうでない場合（ばあい）、そもそも掃除（そうじ）はしないか外注（がいちゅう）している場合（ばあい）とに分かれるので比較（ひかく）は難（むずか）しい。学校（がっこう）でも掃除（そうじ）を外注（がいちゅう）している場合（ばあい）があって、私（わたし）もトイレ掃除（そうじ）を子供（こども）がする学校（がっこう）と業者（ぎょうしゃ）がする学校（がっこう）と𝟐（ふた）つ経験（けいけん）している。

　食事（しょくじ）と余暇（よか）を昼休（ひるやす）みとするなら、最（もっと）も長（なが）いのは小学校（しょうがっこう）での𝟕𝟓分（ななじゅうごふん）を経験（けいけん）している事（こと）になる。次（つぎ）に長（なが）いのは意外（いがい）と企業（きぎょう）の𝟔𝟎分。お弁当（べんとう）を持（も）っていったり、すぐ近（ちか）くで調達（ちょうたつ）できる場合（ばあい）は𝟒𝟎分くらい自由（じゆう）時間（じかん）を確保（かくほ）できるのでちょっとしたお昼寝（ひるね）も可能（かのう）。休憩（きゅうけい）室に畳（たたみ）の部屋（へや）が在（あ）って雑魚寝（ざこね）できる事例（じれい）もあった。自分（じぶん）の席で食事（しょくじ）が可能（かのう）な場合（ばあい）は、移動（いどう）時間（じかん）が節約（せつやく）できるのがあり難いが、横（よこ）になれる環境（かんきょう）は専用（せんよう）の部屋（へや）が必要（ひつよう）だろう。ただ、個人（こじん）的（てき）には食後（しょくご）に寝（ね）てしまうとかえって午後（ごご）が辛（つら）いようにも感（かん）じる。𝟏𝟐時ごろ食（た）べたとして、眠いのは𝟏𝟒時ごろか𝟏𝟔時𝟑𝟎分ごろ。どうせ仮眠（かみん）の時間（じかん）をもらえるならそのころの方があり難い。𝟏𝟓；𝟏𝟔時ごろは組織（そしき）によってはちょっとしたお八（や）つ休憩（きゅうけい）がある。企業（きぎょう）でも学校（がっこう）でも、法定（ほうてい）上の拘束（こうそく）時間内（じかんない）にどれくらい休（やす）み時間（じかん）が取（と）れるのかで労働（ろうどう）環境（かんきょう）は大（おお）きく違（ちが）うはずだが、意外（いがい）と比較（ひかく）した話が出（で）て来ない不思議（ふしぎ）がある。「世（よ）の中（なか）みんな自分（じぶん）や自分（じぶん）の身（み）のまわりと同（おな）じ」と考（かんが）えるのは情報（じょうほう）処理（しょり）の悪手（あくしゅ）で誤った分析（ぶんせき）の第一歩（いっぽ）になる事（こと）から注意（ちゅうい）がいる。

　実際（じっさい）は一度（いちど）動（うご）き始（はじ）めると昼休（ひるやす）みや終業（しゅうぎょう）まで休（やす）みが無（な）い環境（かんきょう）もあれば、𝟏時間半（じかんはん）〜𝟐時間（じかん）おきに一斉（いっせい）に休憩（きゅうけい）がある環境（かんきょう）もあるし、休憩（きゅうけい）と明示（めいじ）はしないがお八（や）つを食（た）べたり雑談（ざつだん）をしたりと息抜（いきぬ）きが許（ゆる）される環境（かんきょう）もあって、自分（じぶん）の好（す）きな時（とき）に好（す）きなように食（た）べたり飲（の）んだり休（やす）んだりできる環境（かんきょう）もある。実働（じつどう）は短時間（たんじかん）で待つ事（こと）そのものも仕事（しごと）に入り、場（ば）を離（はな）れなければ何（なに）をしても構（かま）わないという環境（かんきょう）もある。そういう違（ちが）いを想像（そうぞう）する事（こと）さえできない社会人（しゃかいじん）が物凄（ものすご）く多（おお）いので、学生（がくせい）が仕事（しごと）を調󠄃べたり話を聴（き）く時（とき）はあくまで一例（いちれい）だと意識（いしき）しておいた方が良（い）い。

　塾（じゅく）や学校（がっこう）の場合（ばあい）、授業中（じゅぎょうちゅう）に堂々（どうどう）とお八（や）つが食（た）べられるという環境（かんきょう）は珍（めずら）しいだろう。私（わたし）は経験（けいけん）した事（こと）が無（な）い。大学（だいがく）の大人数（おおにんずう）の講義（こうぎ）ならボリボリ音（おと）を立てない限り事実上（じじつじょう）食（た）べる事（こと）は可能（かのう）だったろうが、さすがにそういう景色（けしき）が日常（にちじょう）という環境（かんきょう）ではなかった。

　飲（の）み物（もの）に関（かん）しては責任（せきにん）者次第（しだい）といった感（かん）じで、駄目（だめ）と言（い）う人（ひと）もいれば、途中（とちゅう）で時間（じかん）を取（と）って𝟏〜𝟐分休（やす）みをくれる人（ひと）もいたし、適宜（てきぎ）好（す）きに飲（の）めばいいという人（ひと）もいた。予備校（よびこう）は自由（じゆう）、塾（じゅく）では先生（せんせい）次第（しだい）、学校（がっこう）では駄目（だめ）というのが傾向（けいこう）。今でこそ水分（すいぶん）補給（ほきゅう）は当たり前（まえ）といった風潮（ふうちょう）だが、私（わたし）のころは過渡期（かとき）みたいなものだったので、小学生（しょうがくせい）の時（とき）、塾（じゅく）でも授業中（じゅぎょうちゅう）の飲食（いんしょく）は厳禁（げんきん）だったが、一人（ひとり）だけ、「もうこの年（とし）(𝟔年生（ねんせい）)になったら必要（ひつよう）かどうかは自分（じぶん）で判断（はんだん）しろ」と言（い）って授業中（じゅぎょうちゅう）に飲（の）んでいいとする先生（せんせい）がいた。ただし、缶（カン）は音（おと）がするとかこぼすので水筒（すいとう）持参（じさん）が条件（じょうけん）だったと思（おも）う。当時（とうじ）はまだ𝟓𝟎𝟎㎖（ﾐﾘﾘｯﾄﾙ）以下（いか）のペットボトルは存在（そんざい）していなかった。理由（りゆう）は「ゴミが増えるから」とする国内（こくない）業界（ぎょうかい）の自主（じしゅ）規制（きせい）。しかし外国（がいこく）からの輸入品（ゆにゅうひん）はそれを無視（むし）するので結局（けっきょく）解禁（かいきん）せざるを得（え）なくなってしまった。マイクロプラスティックの規制（きせい）が欧州（おうしゅう）で盛り上（あ）がって米国（べいこく）へ飛（と）び火（ひ）し、「これだから日本（にほん）は～」と言（い）い始（はじ）める日本人（にほんじん）も出始（ではじ）めているが、その人（ひと）たちはあの時（とき）なぜ「これだから欧米（おうべい）は～」と徹底（てってい）的（てき）に抗議（こうぎ）しなかったのだろうか？という不思議（ふしぎ）がある。そもそも微小（びしょう）プラスティックゴミ問題（もんだい）の多（おお）くは「ゴミはゴミ箱（ばこ）へ」という幼稚（ようち）園児（えんじ）水準（すいじゅん）の約束事（やくそくごと）が守れない「残念（ざんねん）な動物（どうぶつ）」によるものが原因（げんいん）だったりして、ある意味（いみ）話のすり替え的（てき）な面もある。

　ところで、授業中（じゅぎょうちゅう）でも各自（かくじ）の判断（はんだん）で飲（の）んでいいとしたその先生（せんせい）の授業（じゅぎょう）は講師室已外（いがい）冷房（れいぼう）の無（な）いビルで暑（あつ）かったにも関（かか）わらず、飲（の）んでも構（かま）わないと言（い）われると意外（いがい）と誰（だれ）も飲（の）もうとしないのが面白（おもしろ）いところだった。私（わたし）は飲（の）んでいいと言（い）うのなら遠慮（えんりょ）無（な）くと飲（の）み始（はじ）めたが、最初（さいしょ）に𝟏人（ひとり）が始（はじ）めるとすぐに教室（きょうしつ）全体（ぜんたい）へひろまった。集団（しゅうだん）心理（しんり）の典型（てんけい）みたいな出来事（できごと）として印象（いんしょう）に残（のこ）っている。同（おな）じ事（こと）は中𝟑の時（とき）に先駆（さきが）けてワープロでレポートを提出（ていしゅつ）したり、高𝟏（こういち）の時（とき）にまだ珍（めずら）しかった電子（でんし）辞書（じしょ）を教師（きょうし）の面前（めんぜん）で堂々（どうどう）と使（つか）い始（はじ）めた時（とき）にもあった。個人（こじん）的（てき）には𝟏番（いちばん）か否（いな）か、新（あたら）しいか古（ふる）いかの問題（もんだい）ではなく要不要（ようふよう）の問題（もんだい）で必要（ひつよう）かつ便利（べんり）と感（かん）じたからやっただけの事（こと）だったが、大人（おとな）になってから無思慮（むしりょ）や強迫（きょうはく）的（てき）に新（あたら）しい物（もの）へ飛（と）びついたり注目（ちゅうもく）を浴（あ）びようとしたり、その裏返（うらがえ）しとして縦割（たてわり）り的（てき）に現在（げんざい）；過去（かこ）；未来（みらい）と分けて趣向（しゅこう）にそぐわない選択（せんたく）をする人達（ひとたち）を否定（ひてい）しようとする人（ひと）が出（で）てくるのは、そういう、自分（じぶん）で判断（はんだん）する力（ちから）の育成（いくせい）や経験（けいけん）が子供（こども）時代（じだい）に不足（ふそく）していた反動（はんどう）なのだろうか？「新（あたら）しかろうが古（ふる）かろうが、適切（てきせつ）な物（もの）や好（す）きな物（もの）を使（つか）えばそれでいいじゃん」と「ふつう」の違（ちが）いを感（かん）じるとともに、精神（せいしん）的（てき）に凄（すご）く幼（おさな）く感（かん）じる。「飲（の）んではいけない」が「飲（の）まなければいけない」に変（か）わっただけで自由（じゆう）や選択（せんたく）の余地（よち）が無（な）い点では同（おな）じみたいなもの。

　塾（じゅく）では弁当（べんとう）持参（じさん）で丸一日（いちにち）というのは経験（けいけん）した事（こと）が無（な）かったと思（おも）う。なので昼休（ひるやす）みについては話題（わだい）にできない。鉢巻（はちま）き巻いて合宿（がっしゅく）という年末（ねんまつ）のニュース恒例（こうれい）の景色（けしき）も知らないし、そういう塾（じゅく）でなくて好かったと思（おも）う(笑)

　予備校（よびこう）はおぼえていないが多分（たぶん）お昼（ひる）は𝟓𝟎分〜𝟏時間（じかん）あったと思（おも）う。冷房（れいぼう）があまりに寒（さむ）くて私（わたし）は道路沿（どうろぞ）いに椅子や机（つくえ）を出（だ）しているお店や近所（きんじょ）の公園（こうえん）で食（た）べていた。大学（だいがく）も𝟏時間（じかん）無（な）くて𝟓𝟎分以下（いか）だった。食堂（しょくどう）は寒（さむ）かったが真夏（まなつ）は休（やす）みだから行（い）くことがほとんど無（な）く問題（もんだい）無（な）かった。外の芝生（しばふ）で食（た）べている集団（しゅうだん）もけっこう多（おお）かったが、私（わたし）の知り合いは「暑（あつ）い/寒（さむ）い」「遠（とお）い」「場所（ばしょ）取（と）りが面倒（めんどう）臭い」と否定（ひてい）的（てき）な人（ひと）ばかりでそういう事（こと）はしなかったが、個人（こじん）的（てき）には近所（きんじょ）の公園（こうえん）が穴場（あなば）だったので行（い）く事（こと）もあった。この辺も「ふつう」の差（さ）を感（かん）じる景色（けしき）なのでまた別途（べっと）に話題（わだい）にしようと思（おも）う。

　中高（ちゅうこう）は𝟑𝟎分だった。食堂（しょくどう）が無（な）く基本（きほん）的（てき）にお弁当（べんとう）なので𝟏𝟎〜𝟏𝟓分（じゅうごふん）で食（た）べれば問題（もんだい）は無（な）かったが、次（つぎ）の授業（じゅぎょう）が体育（たいいく）だったりすると着替（きが）えて移動（いどう）もしないといけないのでちょっと他（ほか）に用ができるとギリギリ。女性（じょせい）の場合（ばあい）はトイレが混（こ）んだりするので学校（がっこう）でも会社（かいしゃ）での外食（がいしょく）でも、𝟑𝟎分や𝟒𝟓分（よんじゅうごふん）は男性（だんせい）以上（いじょう）に厄介（やっかい）かも知れない。

　𝟑𝟎分で午後（ごご）の予習（よしゅう）や宿題（しゅくだい）が終わっていない場合（ばあい）は、食（た）べながら作業（さぎょう）をしたりする事（こと）もあったので、手持無沙汰（ぶさた）を埋め合（あ）わせる為（ため）に同（おな）じような感覚（かんかく）を大人（おとな）の世界（せかい）で行（おこな）うと、けっこう面倒（めんどう）な事（こと）になる。真面目（まじめ）に𝗈𝗋無理をして休（やす）んでいないと思われたり、場合（ばあい）によっては顰蹙（ひんしゅく）を買（か）う。食事（しょくじ）の時間（じかん）なのであくまで食（た）べるのが主たる目的（もくてき）で、学校（がっこう）の時（とき）と違（ちが）って頭を休（やす）めたりペースを落（お）としたりはしている。単（たん）に暇（ひま）だから暇潰（ひまつぶ）しに手を動（うご）かしているに過（す）ぎず、また命令（めいれい）されたりやるべきことが過剰（かじょう）に貯まっている状（じょう）態とは違（ちが）うので精神（せいしん）的（てき）にはリラックスした状（じょう）態にある。無理はしないのでやりたくない時（とき）はやらない。しかし「ふつう」として通用（つうよう）しない環境（かんきょう）ではそれがやり難い。効率（こうりつ）が悪（わる）い；時間（じかん）がもったいないとは感（かん）じる。話をして食事（しょくじ）をしながら宿題（しゅくだい）をするくらいは学校（がっこう）でも登下校（とうげこう）の電車（でんしゃ）の中でも普通（ふつう）に行っている人（ひと）は何人もいた事（こと）で珍（めずら）しくもない環境（かんきょう）だったのだが。「勉強（べんきょう）のし過（す）ぎ」ではない。どちらかというと朝（あさ）の電車（でんしゃ）でノート広げて何（なに）かをしている人（ひと）というのは家で遊んでいて宿題（しゅくだい）や予習（よしゅう）をやっていない人（ひと）の方が多（おお）いのだから(笑)　以前（いぜん）『亜人（あじん）』というアニメ作品（さくひん）を見た事（こと）があるが、主人公は成績（せいせき）の良（い）い高校（こうこう）生という設定（せってい）だったらしく、持（も）っていた赤本（あかほん）のような過去問（かこもん）集からどうも現実（げんじつ）世界（せかい）での東大医（い）学部（がくぶ）を受ける水準（すいじゅん）と推測（すいそく）されたが、赤本（あかほん）を読（よ）みながら朝食（ちょうしょく）を採（と）っていて違和（いわ）感を覚えた。東大理Ⅲ（りさん）を考（かんが）えるくらいの水準（すいじゅん）ならむしろそこまでしなくても問題（もんだい）は無（な）いだろうし、精々（せいぜい）学校（がっこう）の試験（しけん）や入試（にゅうし）の本番（ほんばん）当日（とうじつ）に何（なに）か読（よ）む程度（ていど）だろう。そもそも赤本（あかほん）のような過去問（かこもん）集の類（たぐい）は一通（ひととお）り解いて出題（しゅつだい）傾向（けいこう）を知ったり自分（じぶん）の到達（とうたつ）点を確認（かくにん）したりするもので、読（よ）み込（こ）むようなものじゃない。

　複数（ふくすう）の物事（ものごと）を並行（へいこう）させるという点については効率（こうりつ）化（か）に繫（つな）がるが、年齢（ねんれい）やその人（ひと）の情報（じょうほう）処理（しょり）の特性（とくせい）も有り、また内容（ないよう）次第（しだい）でできれば良（い）い場合（ばあい）とやらない方が良（い）い場合（ばあい）もあって簡単（かんたん）には言（い）えない。また別途（べっと）に話題（わだい）にしようと思（おも）う。

「天才」という言葉には御注意を

　今日（きょう）は𝟐𝟏時からアインシュタインの勝手（かって）に盗（ぬす）んで切（き）り刻（きざ）んだ脳味噌（のうみそ）の行方（ゆくえ）を追（お）う特集（とくしゅう）やるらしいが、空間（くうかん）認識（にんしき）などの部位（ぶい）が異常（いじょう）に発達（はったつ）してて、人類（じんるい）の先端（せんたん）を行っていた特別（とくべつ）な人（ひと）という形（かたち）に演出（えんしゅつ）するらしい。

氷河期（ひょうがき）の壁画（へきが）が驚（おどろ）くほどに写実（しゃじつ）的（てき）だったのは「描き手が自閉（じへい）症（しょう）だったから」という説明（せつめい）

　唯一（ゆいいつ）無二（むに）の英雄（えいゆう）を演出（えんしゅつ）するというのは偉人伝（いじんでん）でよく行（おこな）われる情報（じょうほう）操作（そうさ）なのでその辺、偏（かたよ）りが無（な）いかどうかも着目（ちゃくもく）しながら観てみるのも良（い）いだろう。結果（けっか）的（てき）に業績（ぎょうせき）を残（のこ）しただけで、別（べつ）に彼（かれ）だけが凄（すご）いわけじゃなく、遺伝（いでん）的（てき）にそういう人（ひと）はいるという事（こと）。あとは環境（かんきょう）要因（よういん）として家庭（かてい）や学校（がっこう）や周囲（しゅうい）の環境（かんきょう）がその発達（はったつ）を助長（じょちょう）するような形（かたち）に向（む）くと、運（うん）が好ければ業績（ぎょうせき）に繫（つな）がる。

　ただ、上記（じょうき）の記事（きじ）を読（よ）んだ時（とき）の個人（こじん）的（てき）な印象（いんしょう）としては、「細部（さいぶ）」とか「集中（しゅうちゅう）」といった表現（ひょうげん）が漠然（ばくぜん）とし過（す）ぎてわからないとは感（かん）じた。例（たと）えば、𝟒𝟎年前（ねんまえ）のアニメと𝟐𝟎年前（ねんまえ）のアニメでさえ細部（さいぶ）の描き方が歴然（れきぜん）と違（ちが）う。今の子供（こども）達は現代（げんだい）の精細（せいさい）な絵柄（えがら）に慣（な）れてそれが当然（とうぜん）の物（もの）と考（かんが）えるようになっている。慣（な）れや環境（かんきょう）の問題（もんだい）で細かいかどうか、集中（しゅうちゅう）と感（かん）じる時間（じかん）なんていくらでも変（か）わる。「ふつう」の感覚（かんかく）が個人（こじん）や集団（しゅうだん）によって違（ちが）う。そして元から持（も）っていた能力（のうりょく）や物心（ものごころ）ついた時（とき）からの環境（かんきょう）だけでなく、あとからの訓練（くんれん）や慣（な）れによっても変（か）わってくる。𝟏𝟎𝟎、𝟐𝟎𝟎年前（ねんまえ）の庶民（しょみん）が一般（いっぱん）的（てき）に行っていた農閑期（のうかんき）の工作（こうさく）などは忍耐力（にんたいりょく）を求（もと）められるものが少（すく）なくないが、この研究者（けんきゅうしゃ）にかかったら全部（ぜんぶ）自閉（じへい）にされそうとは感（かん）じる。𝟑次元（じげん）の知覚（ちかく）能力（のうりょく）も発達（はったつ）期に𝐂𝐆アニメ；ゲームを見慣（な）れるだけでも大分（だいぶ）変（か）わるというのが過渡期（かとき）世代（せだい）の実感（じっかん）ではある。

　要素（ようそ）が複雑（ふくざつ）な話なのであまり限定（げんてい）的（てき）に捉（とら）えようとはしない方が良（い）いだろう。