梅雨入りは入梅とも言うのに、梅雨明けは出梅と聞かないのは何故だろう？

　地名（ちめい）；人名（じんめい）はただでさえ変則（へんそく）が多（おお）く正確（せいかく）な読み方を断定（だんてい）するのは難（むずか）しいのに、振（ふ）り仮名（がな）が無（な）い事が多（おお）く、文字（もじ）で調べても読み方がわからないという事が少なくない。ネット時代（じだい）になってもそれは変（か）わらない。今朝（けさ）、先週末（せんしゅうまつ）の被害（ひがい）状況（じょうきょう）を一覧（いちらん）していたら、福井県（ふくいけん）嶺南（れいなん）東域（とういき）三方郡（みかたぐん）美浜（みはま）甼にある「馬背川」流域（りゅういき）に関する話が出て来（き）た。

　私は初めて目にする名前（なまえ）で読み方がわからなかったので、「[うまのせがわ]とでも言（い）うのだろうか？」と想像（そうぞう）しながら検索（けんさく）してみたら、いくつかに分かれていて断定（だんてい）ができず。

　最初（さいしょ）に読んだ記事（きじ）はこちら。

土砂（どしゃ）崩れ、国道（こくどう）ふさぐ　福井市（ふくいし）居倉町（いくらちょう）の海岸沿（かいがんぞ）い

　フリガナなし。そして検索（けんさく）で出て来（き）たのは𝟑種類（しゅるい）。

①[ばじょうがわ]説
福井県（ふくいけん）　敦賀（つるが）土木（どぼく）事務（じむ）所　砂防（さぼう）指定地（していち）等一覧（とういちらん）

②[ばじょがわ]説
福井県（ふくいけん）の二級（にきゅう）水系（すいけい）一覧（いちらん）

③[まじょうがわ]説
「背」地名（ちめい）

福井県美浜町（ふくいけんみはまちょう）の地名（ちめい）


　単純（たんじゅん）に考（かんが）えれば行政（ぎょうせい）がやっている①が公式（こうしき）だろうとも思えるが、間違（まちが）っている事もあろうから断定（だんてい）ができない。

　被害（ひがい）状況（じょうきょう）に関しては範囲（はんい）が広いのでまだ全部（ぜんぶ）みていない。テレヴィニュースでは岡山（おかやま）県南部（なんぶ）倉敷（くらしき）市真備（まび）甼が大部分（ぶぶん）、ほかは広島（ひろしま）県や愛媛（えひめ）県南予（なんよ）部南域（なんいき）宇和島（うわじま）市吉田（よしだ）甼などに偏（かたよ）っており、全体（ぜんたい）像が解かり辛い。こういう時は中小（ちゅうしょう）の浸水（しんすい）；被害（ひがい）は無視（むし）されるし、範囲（はんい）が広くても全体（ぜんたい）像を伝えようとはしない。東日本（ひがしにほん）大震災（しんさい）の時も紹介（しょうかい）先がどこも重複し偏（かたよ）っていながら「現場（げんば）に行かないとわからない」と言（い）い続（つづ）ける事が多（おお）くて情報（じょうほう）の伝え方に疑問（ぎもん）を感（かん）じたが、特に変（か）わっていないので目立（めだ）つ場所（ばしょ）だけが全てという方針（ほうしん）なのだろう。私と根本（こんぽん）的に情報（じょうほう）処理（しょり）の仕方（しかた）が違（ちが）うとみられる。こういう時は地域（ちいき）の新聞（しんぶん）系サイトや、しばらくしてから纏（まと）まる行政（ぎょうせい）の被害（ひがい）報告（ほうこく）書の方が役に立つ。ネットのまとめサイトも結局（けっきょく）のところどこかの記事（きじ）をならべているだけなので、網羅（もうら）的ではないよう。岡山（おかやま）の真備（まび）甼の事例（じれい）はやや大（おお）きな河川（かせん）に挟まれた地域（ちいき）での浸水（しんすい）なので全体（ぜんたい）的には特殊（とくしゅ）になる。岡山（おかやま）県は災害（さいがい）が少ない地域（ちいき）として知られているので一度（いちど）災害（さいがい）が起これば弱（よわ）いかと思ったが、注目（ちゅうもく）度に比べれば被害（ひがい）が少なく、広島（ひろしま）の方が深刻（しんこく）。九州（きゅうしゅう）は北部（ほくぶ）で特別（とくべつ）警報（けいほう）が出ていたが、被害（ひがい）は比較（ひかく）的軽かったよう。しかし、浸水（しんすい）や土砂（どしゃ）崩れなどの被害（ひがい）が無かった訳でないのは福岡（ふくおか）や大分（おおいた）の地元（じもと）ニュースで確認（かくにん）した。

　大（おお）きな河川（かせん）に挟まれて洪水を起こす地域（ちいき）としては木曽三川（きそさんせん）と輪中（わじゅう）の話（はなし）を小学校（しょうがっこう）の社会（しゃかい）で習ったが、さすがにこういったところは私が知って以降（いこう）の氾濫（はんらん）を聞かない。また、氾濫（はんらん）危険（きけん）水位（すいい）に到達（とうたつ）した情報（じょうほう）は各地（かくち）で大量（たいりょう）に出ていたが、氾濫（はんらん）が確認（かくにん）された箇所は少なく、ギリギリのところで防いでいたよう。個人的（こじんてき）に知っている範囲（はんい）の昭和（しょうわ）の中頃（なかごろ）まで暴（あば）れ川（がわ）として知られていたいくつかの河川（かせん）も氾濫（はんらん）を知らないので、それだけ河川（かせん）防災（ぼうさい）の能力（のうりょく）は上がっているとは言（い）える。それでもかつて洪水が多（おお）かった地域（ちいき）というのは、地形（ちけい）上不利（ふり）という事でもあるので、たとえ堤防（ていぼう）や排水（はいすい）設備（せつび）がしっかりしていたとしても、何かの折りに水浸（みずびた）しになるという意識（いしき）は持っておいた方が良（い）い。裏山（うらやま）が在って土砂（どしゃ）崩れを起こしかねない場合（ばあい）と違い、なかなか浸水（しんすい）の可能性（かのうせい）を想像（そうぞう）するのは難（むずか）しいが、こういった大（おお）きな災害（さいがい）の時には、どこで浸水（しんすい）が起こったという情報（じょうほう）に触れると、地形（ちけい）的に不利（ふり）な場所（ばしょ）が浮かび上がったりする。地元（じもと）や自分（じぶん）の行動（こうどう）範囲（はんい）の情報（じょうほう）はできる範囲（はんい）で気を配っておくと、いざという時に余計（よけい）な混乱（こんらん）を抑える事ができる。また、水が満ちていく様子（ようす）は実は意外（いがい）と子供（こども）の砂遊びで学ぶ事ができる。どういう形状（けいじょう）だと水の周りが速いか、どういう場所（ばしょ）が崩れやすいか、たくさん遊んだ記憶（きおく）があり、それを意識（いしき）してあれば手に取（と）るように想像（そうぞう）できる。家に庭が無（な）い家庭（かてい）も増えているので庭で水遊びをしたりというのも難（むずか）しくなっているかも知れないが、海や公園（こうえん）で機会（きかい）があればやらせてみたらいいだろう。アクティヴ・ラーニングというのは何も「授業（じゅぎょう）」「勉強（べんきょう）」として行うものじゃないし、試験（しけん）の為（ため）でもない。ただし、証拠（しょうこ）は残らないし、達成感（たっせいかん）や成果や自己（じこ）実現（じつげん）を目論（もくろ）むものでもない、点数（てんすう）も等級（とうきゅう）も単位（たんい）も認定されない、受験（じゅけん）直前（ちょくぜん）の年代からは離れている。推薦（すいせん）；𝐀𝐎（ｴｲｵｳ）；就活（しゅうかつ）に役立つ訳じゃないので、「就活（しゅうかつ）学生（がくせい）が読んではいけないお話（はなし）」になる。「結果（けっか）が全て」という人達（ひとたち）からは無視（むし）されるか嘲笑（ちょうしょう）されるか非難（ひなん）される覚悟（かくご）は持っておいた方が良（い）いだろう。

　それから、今回（こんかい）は𝟐階や屋根（やね）に上がって救助（きゅうじょ）を求める人が多数（たすう）出た様子（ようす）も映し出（だ）されていたが、平屋（ひらや）が当たり前（まえ）だった戦後（せんご）昭和（しょうわ）以前（いぜん）の場合（ばあい）、船が出（だ）せなければその人達（ひとたち）は全員（ぜんいん）死んでいた。集落（しゅうらく）全滅（ぜんめつ）という事も簡単（かんたん）に起こる。東日本（ひがしにほん）大震災（しんさい）の津波（つなみ）で町が丸ごと流される様子（ようす）に衝撃（しょうげき）を受けた人は多（おお）いと思（おも）うが、もっと規模（きぼ）の小さい水害（すいがい）でもああいった事は起こっていた。歴史（れきし）をみる時は政治（せいじ）；軍事（ぐんじ）；文化（ぶんか）に注目（ちゅうもく）が偏りやすいが、そういう事も思い出（だ）せると、見方（みかた）がまた変（か）わってくる。

　そういえば、木曽三川（きそさんせん）の輪中（わじゅう）は東海道（とうかいどう）新幹線（しんかんせん）に乗ると通過（つうか）するが、よく見（み）ると軒下（のきした）に大（おお）きな船が吊るされている場合（ばあい）もある。長らく新幹線（しんかんせん）に乗っていないので現在（げんざい）でもそういった建物（たてもの）が残っているのかわからないが、𝟏𝟓年くらい前（まえ）まではまだあった。通過（つうか）する機会（きかい）がある人はちょっと探してみるのもいいだろうし、旅行（りょこう）に来（き）た人はそういう楽しみ方もできるだろう。