焚風と書くと𝐁𝐨𝐧𝐟𝐢𝐫𝐞を思い出すのでついボンフウと読みたくなる

　𝟐𝟑日（にじゅうさんにち）の熊谷（くまがや）と東京（とうきょう）の暑（あつ）さは北（きた）からのドライ・フェーンが関東（かんとう）地方（ちほう）南部（なんぶ）に流（なが）れ込み、南からの海風（うみかぜ）が入（はい）れなかったから……と解説（かいせつ）していたが、東京（とうきょう）から南へ𝟑𝟎㎞ほど行（い）った横浜（よこはま）で北風（きたかぜ）が吹いたのは未明（みめい）〜朝だけで、あとはいつも通り東〜南の海風（うみかぜ）が入（はい）っていた。最高（さいこう）気（き）温（おん）はいつもより高く𝟑𝟕․𝟐℃を記録（きろく）し湿（しつ）度（ど）は𝟑𝟖％まで下（さ）がったが、その時間帯（じかんたい）もやはり海風（うみかぜ）が吹いていた。若干（じゃっかん）弱めだがそれでも常時（じょうじ）𝟑〜𝟒㎧なので普段（ふだん）とそれほど変（か）わらない。



　千葉（ちば）県北西（ほくせい）部の船橋市（ふなばしし）や千葉（ちば）市でも東京（とうきょう）と異なる話になっており北東（ほくとう）や南西（なんせい）の海風（うみかぜ）は入（い）っているしその時間帯（じかんたい）に気（き）温（おん）が高かった。埼京（さいきょう）ローカルなお話（はなし）だったよう。

　そう言（い）えば昔（むかし）『最強（さいきょう）ロボ ダイオージャ』というロボット・アニメがあったらしいが、ちょっと漢字（かんじ）を入（い）れ替えるだけで、東京（とうきょう）と埼玉（さいたま）でしか活躍（かつやく）しないローカル・ヒーローになるなぁと思った事がある。作品（さくひん）自体（じたい）は水戸（みと）黄門（こうもん）と三銃士（さんじゅうし）がモデルになっているようだが。

最高気温症候群

　昨晩（さくばん）クーラーついた状（じょう）態（たい）で寝（ね）たら寒（さむ）くて、しかも朝方（あさがた）消してあったので湿気（しっけ）で暑（あつ）くなって、結局（けっきょく）クーラーなしで寝（ね）ている普段（ふだん）より𝟏時間（じかん）早く目が覚（さ）めた上に不快だった。これなら扇風機（せんぷうき）でぐっすり眠って寒さで目覚（ざ）めお風呂（ろ）入（はい）ってスッキリの方がまだいい……。

　しかし起きて時間（じかん）が経ってからはいつもほどの暑（あつ）さは感（かん）じられずベトつきもしないのでおかしいなと思っていたら、湿（しつ）度（ど）がいつもより低かった。夜に𝟖𝟎％くらいまで上がって日中（ちゅう）は気（き）温（おん）上昇（じょうしょう）の関（かん）係（けい）で相対（そうたい）的（てき）に湿（しつ）度（ど）が下（さ）がるが、それでも𝟔𝟎％。ところが今日（きょう）は𝟓𝟎％台。気（き）圧も𝟏𝟎𝟎𝟓㍱といつもより𝟓〜𝟏𝟎㍱ほど低い。お昼に確認（かくにん）した時はさらに低くなっていた。



　最高（さいこう）気（き）温（おん）はぐんぐん上がっているが、湿（しつ）度（ど）は下（さ）がっているので蒸（じょう）発の余地（よち）はあり、日陰にいる分には爽（さわ）やか。濡（ぬ）らせばわずかな風でも気（き）持（も）ち良（い）い。こういうちょっとした違（ちが）いを感（かん）じる能力（のうりょく）も情（じょう）報（ほう）処（しょ）理（り）力になるだろうか？頭で「最高（さいこう）気（き）温（おん）何℃！」と住んでもいない場所（ばしょ）の記録（きろく）で滅入（めい）っている人もいたりする。読解力（どっかいりょく）とも関（かん）係（けい）するので学（がく）習過程（かてい）で冷静に読み取（と）れるようになる学（がく）力を身につける事は必要（ひつよう）だろう。情（じょう）報（ほう）処（しょ）理（り）としても時事（じじ）問題（もんだい）としても国語（こくご）としても理（り）科としても採り上げる価値（かち）はある。多治見（たじみ）の件では「𝟕月としては最高（さいこう）」のようにトリックを使（つか）ってまでとにかく異常（いじょう）を演（えん）出（しゅつ）したがっているとは感（かん）じる。この時期（じき）になったら𝟕月も𝟖月も関（かん）係（けい）ないし、𝟕月初旬から真夏（なつ）の気（き）温（おん）を出（だ）す事は過去（かこ）にもあって珍（めずら）しくない。

　今日（きょう）のトピックは関（かん）東で𝟒𝟎℃出（だ）した熊谷（くまがや）だが、ここもやはり湿（しつ）度（ど）は下（さ）がっていた。



　うちの近所（きんじょ）よりさらに低い𝟐𝟓％。真夏（なつ）でも真冬（ふゆ）のように𝟐𝟎％切る事は一夏（ひとなつ）に何回（なんかい）かある。日陰で濡（ぬ）らして風を当てていれば楽になるがそれを許さない服（ふく）務規程や校則、風紀があるのは結局（けっきょく）のところ問題（もんだい）を解決（かいけつ）する意思（いし）が無（な）いか、問題（もんだい）と感（かん）じていないという事なのだから、気（き）にする必要（ひつよう）は無（な）いだろう。

　ちなみに東京（きょう）都心は海（うみ）から風が入（はい）る立地（りっち）にも関（かか）わらず高層（こうそう）ビルをたくさん立てて風を塞（ふさ）いでしまった。俗に東京（きょう）ウォールと呼ばれているらしい。たくさんオフィスを建てろ、マンションを造れ、東京（きょう）をもっと大（おお）きくしろと経済（けいざい）の専門家（せんもんか）も政治（せいじ）家もメディアも囃し立てていたのだから、余計（よけい）に暑（あつ）くなるのは納得（なっとく）済（ず）みで、心配する必要（ひつよう）は無（な）い。「自己（じこ）責任（せきにん）の成熟した社会（しゃかい）」という理（り）想郷（きょう）が実（じつ）現しているだけなのでむしろ喜んでいる事だろう。実（じっ）際問題（もんだい）、ビルや地下（ちか）街が多（おお）く電車（でんしゃ）で移（い）動（どう）できる範囲（はんい）も多（おお）いので、中（なか）に入（はい）ってしまえばあまり関（かん）係（けい）無（な）い。多治見（たじみ）や熊谷（くまがや）の𝟒𝟎℃とそこは違（ちが）う。逆（ぎゃく）に熊谷（くまがや）などは東京（きょう）よりも涼（すず）しくなる時期（じき）が早かったりする。

　それより埼玉（さいたま）県北（ほく）部（ぶ）北（ほく）西域（いき）熊谷（くまがや）市はかなり内陸（ないりく）にあるが、観測点（てん）の標高は海に近い横浜（よこはま）より𝟗𝐦も低いという事に気（き）づいた。標高𝟑𝟎𝐦。岐阜（ぎふ）県美濃（みの）部（ぶ）岐阜（ぎふ）西濃（のう）域（いき）岐阜（ぎふ）市は𝟏𝟐․𝟕𝐦、大垣市（おおがきし）𝟔𝐦。海辺（うみべ）と変（か）わらないというか、千葉（ちば）県の方が標高が高い観測地点（てん）がいくつかある。千葉（ちば）県北（ほく）東部（ぶ）香取（かとり）海匝（かいそう）域（いき）香取（かとり）郡東庄（とうのしょう）町は𝟓𝟐𝐦。東京（きょう）都𝟐𝟑区（にじゅうさんく）部（ぶ）西域（いき）大田区（おおたく）羽田（はねだ）の羽田（はねだ）空港ですら𝟔𝐦。

　・・・全観測点（てん）をみた訳じゃないが、一番（いちばん）低いのは岡山（おかやま）県南部（ぶ）井笠（せいりゅう）域（いき）笠岡（かさおか）市の𝟎𝐦だろうか？マイナスはまだみつけていない。内陸（ないりく）で低いのは埼玉（さいたま）県南部（ぶ）南東域（いき）越谷（こしがや）市の𝟑𝐦。


　フリガナを当（あ）てる記述（きじゅつ）の仕方（しかた）を少し変（か）えてみたらかえって面倒（めんどう）な事になってしまった。一般（いっぱん）論として効率（こうりつ）化（か）するような手法（しゅほう）に思えてもやはり日本語（にほんご）は理（り）屈通りにいかない例外（れいがい）が多（おお）いので無（む）理（り）に原則（げんそく）を適用させても限界がすぐに見えてくる。。。

♪呼吸を止めて 鼻を摘んで 口を塞いで テープで留めて 落ちた涙も 見ない振り～

　昨日（きのう）出かける前（まえ）につけていたテレヴィで何かの番組（ばんぐみ）の𝐁𝐆𝐌（ﾋﾞｰｼﾞｰｴﾑ）に昔（むかし）のアニメ『タッチ』のオープニング曲がかかっていたので久し振りに思い出（だ）したが、家を出て音源（おんげん）が無（な）い状態（じょうたい）となると、替（か）え歌（うた）しか思い出（だ）せず原曲（げんきょく）の歌詞（かし）が結局（けっきょく）出（で）て来（こ）なかった(笑)

　あの曲は『鋼𝐐超児（ごうきゅうちょうじ）イッキマン』のオープニング曲とも似（に）ているので、重（かさ）ねたり行ったり来（き）たりができる。中身（なかみ）は想像（そうぞう）にお任せするが、

タッチ　(前奏（ぜんそう）)

イッキ　(原曲（げんきょく）𝐀メロ)

　　　　(原曲（げんきょく）𝐁メロ)

タッチ　(ヴァース由来（ゆらい）(中略)（なかりゃく）)

タッチ　(サビ由来（ゆらい）(中略)（なかりゃく）)

タッチ　(ヴァース𝟐由来（ゆらい）(中略)（なかりゃく）)

イッキ　(原曲（げんきょく）サビ)

イッキ　(後奏)

　本当（ほんとう）は手を伸ばすのは『魁（さきがけ）‼男塾（おとこじゅく）』に出て来（き）た王家の谷の守護者達（ファラオ・スフィンクス）の一人（ひとり）だったが名前（なまえ）が思い出（だ）せなかったのでカタクリという比較（ひかく）的（てき）新しい登場（とうじょう）人物（じんぶつ）に変（か）えておいた。昔（むかし）から「手が伸びる」という演（えん）出はけっこう定番（ていばん）なのだろうか？私（わたし）は漫画（まんが）やアニメ作品（さくひん）をそれほど多（おお）く知らないが、それでもいくつか思い浮かぶ。書（か）いてしまうとますます原曲（げんきょく）が分からなくなってしまいそうだが。御嶽海（みたけうみ）も以前（いぜん）からオンタケカイと冗談（じょうだん）で言っているのでそのうち間違（まちが）って口（くち）にしてしまいそう(笑)

　間違（まちが）いと言（い）えば昨日（きのう）の記事（きじ）、最初（さいしょ）にアップロードしてからフリガナ追加（ついか）版に差（さ）し替えたり抜け落ちていた最後（さいご）を追加（ついか）しているうちに、話が途中（とちゅう）で重（じゅう）複（ふく）していた。複（ふく）写（しゃ）した際に起きた手違（ちが）いだが、直したつもりだったのに今朝（けさ）再修訂（しゅうてい）したら再度（さいど）重（じゅう）複（ふく）になっている事に先ほど気づいた。どうも最初（さいしょ）に書（か）いたテキストファイルで既（すで）に重（じゅう）複（ふく）が起こっていたらしい。直しておいた。

　面白（おもしろ）い事に、ここ一月（ひとつき）ほどの誤字（ごじ）脱字（だつじ）に関してはほとんどがフリガナ自動（じどう）添付（てんぷ）で発生（はっせい）したものだったりする。いちいちフリガナを付けるのが面倒（めんどう）なので自動（じどう）でやらせているのだが、よその変換（へんかん）サイトやエクセルのキーロガーでは細かい所で不便（ふべん）があるので独自（どくじ）に行っている。一度（いちど）に完全（かんぜん）なものを作るのが大変（たいへん）なので少しずつ増やしながら様子（ようす）を視（み）ているが、そのお陰で誤字（ごじ）脱字（だつじ）は減（へ）っているよう。代わりに変換（へんかん）プログラムの方でいろいろと問題（もんだい）が起こるが。状況（じょうきょう）によって読み方が細々（こまごま）と変（か）わるので指定（してい）の仕方（しかた）が難（むずか）しい。「此の頃」は文脈（ぶんみゃく）によって[このごろ]だったり[このころ]だったりするし、経緯なら[ケイイ]でも[いきさつ]でもどちらでも読める。一応（いちおう）私（わたし）が想定（そうてい）している読み方で指定（してい）してあるが、中には引用（いんよう）や一時（いちじ）的（てき）に別の読み方をさせたい場合（ばあい）なども出て来て、そうなると全自動（じどう）という訳にもいかない。

　高校（こうこう）のころ、大学（がく）受験（じゅけん）に必要（ひつよう）な英単語は𝟑𝟎𝟎𝟎語だ𝟓𝟎𝟎𝟎語だ、単語（たんご）が解らなくても文脈（ぶんみゃく）で読めば良（い）い……等とさまざまな話を目にしたが、結局（けっきょく）のところ「問題（もんだい）形式（けいしき）によって違（ちが）う」というのが個人（こじん）的（てき）に得た結論（けつろん）だった。単語（たんご）集は高𝟑のころから『ターゲット𝟏𝟗𝟎𝟎』という物を簡易辞書（じしょ）代わりに使（つか）っていたが、実際（じっさい）は派生語や付録もあって数はもっと多（おお）かった。『力（ちから）の𝟓𝟎𝟎𝟎題（ごせんだい）』という問題集（もんだいしゅう）は𝟓𝟎𝟎𝟎も無（な）いという事を実際（じっさい）に数えて突き止めた人が小学（がく）生の時いたが(笑)　どちらも今でも存在（そんざい）しているのかは知らない。『ターゲット𝟏𝟗𝟎𝟎』は中学（がく）で習う基礎（きそ）的（てき）な単語（たんご）は入（はい）っていなかったので、それらも含めると結局（けっきょく）𝟑𝟎𝟎𝟎語くらいは必要（ひつよう）ということになるのだろう。しかし、英語（えいご）に特化（とっか）した大学（がく）の中には、辞書（じしょ）的（てき）には似たような意味（いみ）だが文脈（ぶんみゃく）によって表現（ひょうげん）を使（つか）い分けないといけない単語（たんご）や熟語（じゅくご）を大量（たいりょう）に出（だ）す形式（けいしき）を採る場合（ばあい）があるので、語彙（ごい）数が物を言（い）う。𝟑𝟎𝟎𝟎語ではまず足りないし、前置詞の使（つか）い分けも重（じゅう）要になる。前置詞に関しては日本（にほん）の学校（がっこう）英語（えいご）教育（きょういく）であまり重（じゅう）視しない印象（いんしょう）があるが、最初（さいしょ）の段階（だんかい）では単語（たんご）数をいたずらに増やすより前置詞の使（つか）い分けによる表現（ひょうげん）数を増やした方が効率（こうりつ）が良（い）いと感（かん）じている。この点（てん）はまた小学校（しょうがっこう）英語（えいご）の話で話題（わだい）にする。

　昔何かの解説（かいせつ）で、フランス語なら𝟑𝟎𝟎𝟎語も知っていれば新聞（しんぶん）が読めるが、日本語（にほんご）は𝟏万語近く知らないと新聞（しんぶん）が読めないとしていた。たしかに日本語（にほんご）は語彙（ごい）や表現（ひょうげん）が豊富（ほうふ）だとは感（かん）じるし、新聞（しんぶん）は話題（わだい）の幅が広いのでそれくらいは必要（ひつよう）かも知れないが、個人（こじん）のブログ程度（ていど）ならそこまで必要（ひつよう）無（な）いだろうと考（かんが）えていた。一応（いちおう）、私的（してき）日記（にっき）では無（む）制限（せいげん）だがこのブログでは話題（わだい）の幅を制限（せいげん）しているのでなおさら語彙（ごい）数は少ないだろう、フリガナも𝟐𝟎𝟎𝟎以内（いない）で十分（じゅうぶん）だろう……と考（かんが）えていたが、既（すで）に概算（がいさん）で𝟒𝟎𝟎𝟎行を突破している。一（ひと）つ一（ひと）つ読み方を指定（してい）していると、これはいつごろおぼえた言葉（ことば）だな等と思い出（だ）す事もある。コンピューター言語（げんご）では効率（こうりつ）的（てき）にまとめて指定（してい）するのが常道（じょうどう）で、「言」なら[ｹﾞﾝ]としてやれば良（い）いが、日本語（にほんご）は状況（じょうきょう）によって[ｹﾞﾝ]だったり[ｺﾞﾝ]だったり[い]だったり[こと]だったりもするのでその分指定（してい）の仕方（しかた）が複（ふく）雑になる。人工（じんこう）知能（ちのう）のアルゴリズムはそういった状況（じょうきょう）による違（ちが）いをどのように認識（にんしき）していくのか知らないが、恐らく違（ちが）いを認識（にんしき）したあとは効率（こうりつ）的（てき）な記述（きじゅつ）方式（ほうしき）で記録（きろく）していることと思（おも）う。その方が応用（おうよう）が効くので。受験（じゅけん）勉強（べんきょう）で言（い）えば公式（こうしき）を覚えるようなもの。しかし一（ひと）つ一（ひと）つの表現（ひょうげん）に個別（こべつ）にフリガナを与えていくと、順（じゅん）序（じょ）が発生（はっせい）し、その順（じゅん）序（じょ）をあとからみた際に、いつどういう話題（わだい）で使（つか）った表現（ひょうげん）なのかを前後（ぜんご）の記述（きじゅつ）の並（なら）びから思い出（だ）す事がある。無（む）機質なプログラムの羅（ら）列（れつ）だが、そのものが日記（にっき）のような役割（やくわり）を果たしており、無（む）機質じゃない。これを効率（こうりつ）的（てき）な記述（きじゅつ）に置（お）き換（か）えてしまうと、処理（しょり）は速くなるが、思い出（だ）す事は難（むずか）しくなる。過去問（かこもん）や公式（こうしき）や用語（ようご）の暗記（あんき）に精を出（だ）した人があとで忘れてしまったり、違（ちが）う場面（ばめん）でそれを思い出（だ）せず現実（げんじつ）の生活（せいかつ）に役立（だ）てる事ができないのもそれと似たような現象（げんしょう）なのだろうか？深層（しんそう）学（がく）習は究（きゅう）極（きょく）の一夜漬（いちやづけ）けとも言（い）える学（がく）習法だが、過去（かこ）のデータに頼（たよ ）らず一から自分（じぶん）で積み上げていった人工（じんこう）知能（ちのう）に完敗した事も興味深（きょうみぶか）い。さらに、それが人間（にんげん）の記憶（きおく）の積み上げと似た過程（かてい）になっているのか否（いな）かも興味深（きょうみぶか）い。少なくとも暗記（あんき）型（かた）人間（にんげん）や深層（しんそう）学（がく）習型（かた）人工（じんこう）知能（ちのう）と、体験（たいけん）や思考（しこう）も絡んで積み上げていった人はアルゴリズムが違（ちが）うとは感（かん）じる。

　そう言（い）えば「愚者（ぐしゃ）は経験（けいけん）に学（まな）び、賢者（けんじゃ）は歴史（れきし）に学（まな）ぶ」といわれ、また西欧（せいおう）学（がく）問の世界（せかい）では帰（き）納（のう）より演（えん）繹（えき）の方が尊いと考（かんが）える風潮（ふうちょう）があるが、この考（かんが）え方は気をつけた方が良（い）い。元の話は「経験（けいけん）」と「歴史（れきし）」ではなく「自分（じぶん）の経験（けいけん）」と「他人（たにん）の経験（けいけん）」であり、経験（けいけん）を軽視し本に書（か）いてある事を重（じゅう）視しているわけではない。そして、演（えん）繹（えき）：経験（けいけん）に頼（たよ ）らず一般（いっぱん）的（てき）原理（げんり）から特殊（とくしゅ）な事実（じじつ）を推理（すいり）する事は、一般（いっぱん）化（か）した定理が用意（ようい）されている事が大前提（ぜんてい）になるが、定理が用意（ようい）されていなければ何もできない、つまり新しい事やよく解かっていない状況（じょうきょう）に対しては必ずしも役に立たない。また、演（えん）繹（えき）をするには事前（じぜん）に誰（だれ）かが一般（いっぱん）化（か）するという作業（さぎょう）を行っている。あとの人はそれを利用（りよう）しているに過ぎない。最初（さいしょ）から演（えん）繹（えき）の為（ため）の道具（どうぐ）が存在（そんざい）しているわけではない。「自分（じぶん）で作るより店で買（か）って来（き）た方が良（い）い」と言（い）い換えると解かりやすいかも知れない。誰（だれ）かが考（かんが）えたり作ったりするから製品（せいひん）として存在（そんざい）し、店で売られているのであって、最初（さいしょ）から商品（しょうひん）がある訳じゃない。

　一方（いっぽう）、帰（き）納（のう）：一（ひと）つ一（ひと）つの具体（ぐたい）的（てき）事実（じじつ）から共通（きょうつう）点を求め一般（いっぱん）的（てき）な法則（ほうそく）を導き出（だ）す事は、作業（さぎょう）としては最初（さいしょ）に演（えん）繹（えき）を行う為（ため）の道具（どうぐ）を発明（はつめい）したり発見（はっけん）したりする部分（ぶぶん）と重（かさ）なる。帰（き）納（のう）を軽視すると演（えん）繹（えき）が成立（せいりつ）しなくなる。そして、帰（き）納（のう）法によって生み出（だ）した定理であっても、それが完璧（かんぺき）なものだったり全てを網羅（ら）した結果（けっか）導かれたものであれば何も問題（もんだい）が無（な）く、演（えん）繹（えき）的（てき）に運用ができる。手作りだから店の商品（しょうひん）に劣るとは限らない。しかも、コンピュータと情報（じょうほう）化（か）社会（しゃかい）では大量（たいりょう）の情報（じょうほう）を集（あつ）めて処理（しょり）する事ができるので、演（えん）繹（えき）的（てき）に使（つか）える為（ため）の定理を議論（ぎろん）している間にあらゆる経験（けいけん）やパターンを集積して法則（ほうそく）を作ってしまえる場合（ばあい）もあるのが現実（げんじつ）。この点（てん）で今でも帰（き）納（のう）より演（えん）繹（えき）が尊いと考（かんが）えている人は既（すで）に時代（じだい）後れになっているから、専門家（せんもんか）であっても注意（ちゅうい）した方が良（い）い。どういう方法（ほうほう）であれ、なるべく多（おお）くの状況（じょうきょう）に適用（てきよう）できる一般（いっぱん）則と；なるべく多（おお）くの例外（れいがい）に対応（たいおう）する想定（そうてい）が作れればそれでいい。

　話を英語（えいご）の語彙（ごい）数に戻すが、単語（たんご）の意味（いみ）が解からなくても前後（ぜんご）の文脈（ぶんみゃく）から想像（そうぞう）すれば解かる……というのは、多（おお）くの短い文脈（ぶんみゃく）を前提（ぜんてい）とした英語（えいご）の試験（しけん）問題（もんだい）では役に立たない話で、逆（ぎゃく）に単語（たんご）さえたくさん知っていれば、前󠄃後󠄂の文脈（ぶんみゃく）を理解（りかい）できていなくても点数（てんすう）になるのが現実（げんじつ）。前後（ぜんご）の文脈（ぶんみゃく）や状況（じょうきょう）から想像（そうぞう）して乗り切れるのはかなりの長文（ちょうぶん）で子細ではなく趣旨を問うものか、実際（じっさい）の会話（かいわ）。私（わたし）は中高（ちゅうこう）のころ、英語（えいご）が大の苦手（にがて）で、英語（えいご）力は今でも中学（がく）水準（すいじゅん）あるか無（な）いかだと思（おも）うが、面白（おもしろ）い事に中高（ちゅうこう）𝟔年間（ろくねんかん）の成績（せいせき）で一番（いちばん）好かったのが高𝟑の𝟏𝟏月（じゅういちがつ）に受けた模試（もし）の英語（えいご）論文だった。𝟗𝟎年代（ねんだい）の大手（おおて）予備校の模試（もし）の成績（せいせき）優秀（ゆうしゅう）者一覧（いちらん）の上から数えた方が速い場所（ばしょ）に名前（なまえ）が載っているくらいだが、だからといって課題（かだい）文に出て来（き）た英単語を全部（ぜんぶ）理解（りかい）していた訳じゃない。最初（さいしょ）から難（むずか）しい内容（ないよう）で知らない単語（たんご）がたくさん出てくるのが当たり前（まえ）という前提（ぜんてい）だったので無理して単語（たんご）の意味（いみ）を考（かんが）えようとしなかったしそうしないと間に合わないという事も分󠄃かっていたから拘らなかった事、それから講評で課題（かだい）文は実際（じっさい）の入試（にゅうし）水準（すいじゅん）を超えた難易度（なんいど）だったと書かれていた事も関係（かんけい）していると思（おも）う。英語（えいご）できない人間（にんげん）が他人（たにん）より点数（てんすう）を取（と）っているのに出題（しゅつだい）者が難関入試（にゅうし）より難（むずか）しいという扱（あつか）いをしているのを読んだ時はけっこう笑えたが、あとから考（かんが）えると、あれは通常（つうじょう）の難易度（なんいど）を超えた事で、大学（がく）入試（にゅうし）に特化（とっか）して適応する能力（のうりょく）がある程度（ていど）無（む）効化（か）された事から差が縮まった事と、解らない状況（じょうきょう）でどう対応（たいおう）するかという能力（のうりょく）の方が試された試験（しけん）だったのだなと感（かん）じるようになった。「図に描く；文字（もじ）で書く②」で話題（わだい）にした全統（ぜんとう）ハイレベル模試（もし）の数学（がく）の時と同じ現象（げんしょう）だったのだろう。英語（えいご）でも数学（がく）でも起こり得る事なのかも知れない。日本語（にほんご）の論文；国語（こくご）は両試験（しけん）とも普段（ふだん）以上（いじょう）に好かったが、こういった現象（げんしょう）は、普段（ふだん）からの情報（じょうほう）処理（しょり）の仕方（しかた）の違（ちが）いと関係（かんけい）あるのか？それとも同じ個人（こじん）で普段（ふだん）と違（ちが）う脳の働きが生じたのか、人工（じんこう）知能（ちのう）を開発（かいはつ）する上でもこういった特殊（とくしゅ）事情（じじょう）を齎（もたら）す人間（にんげん）の意外（いがい）性は必要（ひつよう）なのか？という点（てん）は興味深（きょうみぶか）い。先端で研究（きゅう）している人達（ひとたち）はどのように考（かんが）えているのだろう？